コーヒー豆の焙煎度合いについてお客様とお話することが良くあります。
今回は、シナモンローストご希望について。
シナモンローストは浅煎りこと。薄い茶色です。
浅煎り・中煎り・深煎りという分け方の中にもそれぞれ細かく段階があって、
浅煎りの中でも豆色の薄い順からライトロースト、シナモンローストと呼ばれます。
ライトローストで販売しているお店は少ないと思いますが、
当店では銘柄によってライト気味で焙煎することもあります。
焙煎についていえば、コーヒーの長い歴史から見て焙煎度にも流行のようなものがあります、
深煎りの濃い茶色の豆が一世を風靡した時代もあって(スタバのラテなどが流行った時代)、今は浅煎り傾向が流行なのだろうと言えます。
(もう少し付け加えると、浅煎り、深煎り、どちらかがだけが受け入れられるような時代は去ったと言えます。)
スペシャルティコーヒーが浸透してきて、カップ評価の高いコーヒー豆は浅く焼いてもその豆が持っている風味が魅力的だからなのもあるかもしれません。
すべてがすべて浅煎りが良いというのもまた違うと思えますが、これについては、結局はコーヒーは嗜好品。どれが正解なんてありません。
本日のブログは、
浅煎りを選ぶ理由もさまざまだなぁ・・・と痛感したという話です。
いただくお問い合わせの中には、
”味はどうでもよいのでとにかくできる限り浅煎りにしてほしい。身体に良いと聞いているので。”と言われることがあります。(最近は減りました)
一時期テレビなどでコーヒーの成分の一つが健康にとても良いと報じられていたので、よくお電話がかかってきたりしていました。
コーヒーのクロロゲン酸(コーヒーポリフェノールの一つ)という成分が身体がサビるのを防ぐ抗酸化作用があり、浅煎りに多く含まれているからです。
”味はどうでもいいの?”と思うと少し悲しくなります。
いくら健康のためでも、美味しくないものを飲み続けられるのだろうか・・・と内心感じてしまいます。
何事もつづけてこそ!ですよね。
過去にはそういったことや驚くようなこともあり、
お客様の焙煎度のご希望、特に浅煎りに関しては、あえて浅煎りを希望する理由を聞いてみたい、と強く反応してしまうことがあります。
そして、先日初めてご注文いただいた方の備考欄にメッセージが添えてありました。
”できればすべてシナモンローストでお願いします。”
ご注文の中には焙煎度を指定できないものもあります。
こちらが浅煎りにしたくないものは指定ができないようにしています。
たとえばマンデリン。(マンデリンでもおそらく少数派の中煎り)
浅煎りのご希望理由は直接お聞きしないかぎりわからないです。
オンラインショップとなると文面だけでは判断できませんし。
その後、今回の浅煎り希望の方とはいろいろいきさつもあり、
何回かメッセージのやりとりをさせていただいてわかったことがありました。
深煎りばかり飲んでいて味覚が慣れ過ぎてしまい、
いくつかのお豆をすべて同じシナモンローストで飲んでみたかった。
お店が決めているおすすめの焙煎度とかでなくて。
たとえ結果まずかったとしてもそれはそれでいいと思っています。
動機はこのようなことでした。
なるほど。
条件(焙煎度)を同じにして自分の舌で確かめてみかったということだったのです。
なんという好奇心の塊でしょう。
お応えしたいという気持ちでいっぱいになりました。
ならば、通常シナモンロースト加減で焙煎しているコーヒーを飲んでみてほしい、ということで、お客様が選んだものとは別のおすすめの数種をご紹介させていただいたのでした。
今回選んだのは違いが分かりやすい3種
通常シナモンローストあたりで焙煎
・ブラジル
・コロンビア
・エチオピア モカハラリ
~コーヒーを通して
好奇心がくすぐられる
もっとコーヒーのことが知りたくなる
そこから新しい発見や驚きがある
いろいろな学びがある
珈琲ひとつで面白い日常、
心豊かでいられますように。